BSP「織田信長」を観た話

2月は家も仕事も趣味も大変でこの時期に指輪を3個失くした。2個は影も形も無くなったんだけど、1個は駐車場でぺしゃんこになっていて結構ショックだったのを覚えている。無くしたときは普段の忙しさも相まって「こんなことばっかやんけ……」って沈んでたんだけど、その都度舞台を観てたら元気になった。上手くいかないときに元気をくれるのは良作品と好きな俳優が楽しそうに演技してる姿だなってことを実感している。

この頃に観た舞台の感想をちょこちょこ書いているんだけど気付いたら4月に入っているので、正直観たその時の気持ちだけで書けてはいない気がする。誰かの感想を読んで自分の考えだと思い込んでるかもしれないし、時間が経って感情が煮詰まったり逆に薄まったりしてるかもしれない。でもやっぱり自分が思ったことだと思って残しておきたい。ということで、今回は「ブルーシャトルプロデュース 織田信長」の話をします。

 

2019年くらいに本垢のフォロワーさんからBSP新選組完結編のBlu-rayを借りたんだけど、松田岳くんの吉田稔麿坂本龍馬がもうめちゃくちゃに良かった。というか、照明も音楽も演出も全部良くて、岳くんが出てるBSP観たいよ〜って言ってたんだけど、言い始めてすぐの新選組リメンバーには出ていなかった。その後はもうコロナ禍で承久の乱とか応仁の乱も配信でしか観てなかったんだけど、「織田信長」の情報解禁でめちゃくちゃテンション上がった。上演される!!!!!!岳くんが真ん中のBSP!!!!!!絶対劇場で観るぞ〜〜〜!!!!!って意気込んでFCも入ったのに、アホなので先行を逃しに逃してしまい結局一般で取った。舞台からは遠いけどドセン席だったのであの綺麗なダンス全体を観ることができ、個人的には大満足だった。リメンバーは端の席でしか観られなかったので真ん中で見られたのが本当に嬉しかった。オープニングが、私が期待する以上に綺麗でかっこよくて、これが観たかったんだ〜〜〜〜!!!!!ってちょっと泣いた。オープニング終わった時点でチケット代以上を得てしまいマスクの下でニチャ……って笑ってた。コロナ禍は私からたくさんのものを奪ったけど、マスクの下でキモおたスマイルをしても大丈夫なのはありがたかった。5月までにはこの癖を治したい。

 

正直、織田信長周辺に対しては大河ドラマで放送した分+高校日本史くらいの知識と「カリスマ的な魅力を持つ信長にたくさんの武将が関わっているけど、みんな暗殺する動機を持っていて〇〇黒幕説がいっぱいある」みたいな偏った情報しか待ち合わせていないので内容を全部ちゃんと理解したかというと微妙。1回しか観られていないので話を追うのに気を取られてしまって、ここのこの台詞がよかった!みたいな記憶はほとんど残せなかったのが残念過ぎる。でも脚本とキャストのお芝居が本当に良くて、演出が本当に綺麗で、観終わった後にはすごく良い作品観たなって満足感だけが残ってた。

 

松田岳くんの話をします。序盤に光秀や秀吉、我が子達と朗らかに過ごす信長が素敵だった。あったかいお芝居。ここ2年くらいで岳くん自身が優しい人なんだということを知ったのでそのブーストもあるかもしれないけど、岳くんが演じる序盤の信長は朗らかで優しさに溢れていた。平和な世を目指して笑う青年が「そうするしかない」を選択した結果、第六天魔王になりどんどん人が離れて孤独になっていく姿が痛々しいというかすごく寂しかった。フロイスが地球儀を持ってきたときあんなに周りを巻き込んで楽しそうにしていたのに、終盤でそのフロイスの首元に刀を添える冷えた姿に孤立を感じた。その地球儀も蘭丸に捨てられていよいよ孤独が極まってくる。終盤の蘭丸とのシーンは美しかったんだけど、一緒にいる信長はもう序盤で見た朗らかな信長ではなかったし周りに誰も居なくて、本当に蘭丸しか居ないんだなって思ってつらかった。(このときの信長にとっては蘭丸すら居ないのかもしれない) 朗らかな表情も仄暗い表情も上手いから、人として生きて人として孤独になっていった様がすごく綺麗で哀しい。お芝居もダンスも上手くて「ん?」と思うことが無いから、信長の感情のグラデーションを邪魔することがない。これが観たくてここに来たんだなって思った。もう何かしみじみと良いなぁって思ったから言葉が出ない。単に語彙がないと言えばそれはそう過ぎるんですが。

他作品でも他を圧倒する実力と優しさを兼ね備えた役というのは観たのですが、原作物なので岳くんを観ると言うよりはその役を観るという感覚だった。今回も織田信長という人物像はあるけど、自分の中の固定概念みたいなものは薄かったのでフラットな気持ちでお芝居を観ることが出来たのは良かった。

新くんの話していいですか。します。岳くんに対する感情が静なら、新くんに対する感情は動というかペンラ振ってる感じだった。元々史実でも創作でも徳川家康に対してなんの感情もないので新くんが徳川家康って言われてもフーンて感じだったんですけど、舞台上の家康くん観たら良〜〜〜〜〜!!!!!て心の中で手叩いて喜んだ。柔和な雰囲気で礼儀正しいのに、思案するときの手を顎に添えるあのポーズ(あのポーズ)でスッと視線が鋭くなるの、たぬきの呼び名に相応しく腹の底では冷えた考えを持ってそうな感じで良かったです。フォロワーさんも言ってたけどあの小柄な家康くんが池之上くん演じるガタイのいい本多忠勝を連れ立ってるのすごく良いと思いました。BSPの家康くん衣装の色合い的にもお品がある感じなので、その傍に忠勝いるの良かったな。本当に余談なんですが、ランブロ池之上くんのサインにネコチャンが描かれているのを見かけて、私がリメンバーを見て物販に並んだとき対応してくれたのが池之上くんでマスクにネコチャンが描かれていたのを見てかわいいなって笑ったのを思い出したました。戻ります。新くんのダンスが好きで……!お前新選組観たとき何も言うてへんかったやろって言われたら本当にそうなんですけど、エーステで九門くんのダンスをしっかり観てから新くんのダンスが大好きになってしまったし、エーステ観てから新選組のOP動画見直して「え!?すきじゃん!」ってなった。ダンスしてるときの視線の運び方とか決めるとこでスッと顔が締まるの本当かっこいい。BSPのメンバー基本的にみんなそのあたりが上手いんですけど、物心ついた時からかわいいとかっこいいが同居する人が好きなので新くんを追っちゃったのは必然。これはしょうがない。

植田くんを観るのペダステ振り?とかなので、あんなに可憐でダンスや表情に艶っぽさが出るとは思わずびっくりしたし、めっっっっちゃ良かった!もういろんな人が言ってるけど、あんなに可憐な蘭丸が魔王の棺を守る最後の最後に敵を拳でぶん殴ってるの、もうなりふり構わずとにかく守るって感情ですごく良かったな。「あなたを惑わすので(ニュアンス)」ってフロイスから貰った地球儀をしれっと捨てたとき、信長を惑わすのはお前やろがい!って思いもしたけど、拳でぶん殴ってるの見たら彼は彼なりに信長を想って慕ってたんだなって腑に落ちた(拳殴打で?)。何回か観たらもうちょっと違う感情があったかもしれない。咀嚼しきれていない感はある。

 

折角東京の早い日程で観れたんだから公演中か配信期間中に書けたら良かった。良かった良かった綺麗だった最高だったしか書いてないのに筆が遅過ぎた。配信買って見直しながら丁寧に感想書きたい気持ちもあったのに、イマイチしっかり観られる時間が取れないのがわかっていたので結局買ってない。言い訳ですが家事しながらでも楽しめる配信とお茶をちゃんと入れてタイマンで楽しみたい配信があり、信長は後者だったので買ってない。

って、とこまでブログを書いて寝かせてたら最高オブ最高なオープニングとエンディングと宴の動画が公開されたのでぜひ見てください。短いのでちゃんとタイマン張って観ることができる。BSPは良いというのはこの動画だけでもはっきり分かる。

https://youtu.be/gGRvkwZinmU

https://youtu.be/Lz-r1mXCDuc

https://youtu.be/Ybe4BoioHPg

 

私はBSPのメンバーを外部で見る機会の方が多いんだけどやっぱりBSPの照明と音楽の中で観られるのが最高って思ったし、願わくば2〜3公演観たいと改めて思った。次は他現場や己の予定とずらして確保出来ると良いなって……舞台見始めて何年経ってんだって感じなのに本当にチケ取りとスケジュール管理が下手。今度はちゃんとFC最速先行でがっちりチケット取って観に行きます(宣言)。